よびかけます
戸田浩司君は,2005年9月に高熱を発して入院し,精密検査の結果,EBウイルス感染が原因の血液腫瘍を発症していることがわかりました。根治治療としては骨髄移植が必要でした。
戸田君の病気を知った友人達がドナー登録を呼びかけ,その輪が広がっていきました。
絶望的な気持ちにもなりかねない状態の中で,友人に支えられ,次のメッセージがつくられます。
人は本当にいいものです。自分のために色んな人が協力してくれること、そのことで他の人の命も助けることが出来るかもしれないことが嬉しくてたまりません。実際、移植は怖いです。まだ教師になる夢も、結婚も、子どもも、成人式すら出来ていません。でも今は、笑顔の時が多いです。僕は本当に幸せ者だと思います。
この病気を通して感じたこと、人の優しさ、友人の大切さ、命の重み、そして今をしっかり生きるということを、教師になって子ども達に伝えたい。だから、僕は生きたい!どうしても生きたい!僕ではないかもしれないけれど、皆さんが骨髄バンクに登録してくれることによって、誰かがまた笑って生きていけるようになる。そう信じて骨髄バンクへのドナー登録及び広める活動にご協力をお願いします。
手術はたぶん大阪か東京でします。笑ってみんなにありがとうと言って高知に帰れるように、僕もがんばります。
どうかよろしくお願いします。
私たちはこのメッセージに動かされ,「戸田浩司君支援会」をつくりました。
戸田君のように,白血病・再生不良性貧血などの血液の病気を発症している人は,毎年約6,000人もいると言われています。
私たちは,この現状を広く訴え,一人でも多くの方に骨髄バンクへのドナー登録をしていただきたいと活動を続けてきました。骨髄バンクへの登録者が一人でも増えることが,戸田君に適合する骨髄提供者が見つかる唯一の方法であると同時に,彼と同様に骨髄提供を待ち望んでいる,多くの患者さんたちの希望の輪を広げる道でもあると考えたからです。
さらに,骨髄バンクへのドナー登録が30万人あれば骨髄移植を待っている方の多くにHLAの一致したドナーとめぐり合うことができる。私たちが運動をはじめた,2005年12月の時点で,約22万人。あと8万人の登録があれば30万人に達するということから,私たちは「骨髄バンク8万人登録運動」をはじめました。
結局,戸田君に適合するドナーは見つかりませんでした。彼は,2,006年2月末日,弟さんから抽出した造血幹細胞を体内に注入する,末梢血造血幹細胞移植を受けました。
その後,激しいGVHDに耐え,EBウィルスと闘う日々が続きました。
現在はそのGVHDを乗り越え,投薬も徐々に減り,食欲も回復し,そして10/2に念願の大学への復学を果たすことができました。
戸田浩司君がきっかけで始まった運動。多くの方々のご理解とご協力のおかげで,骨髄バンクへのドナー登録者は着実に増加し,2006年6月末現在で251,040名にまでなりました。
戸田浩司君はまだ闘病生活が続いていますが,「戸田浩司君支援会」から「骨髄バンク8万人登録運動 高知」に名前を変えることで,骨髄バンクへのドナー登録を呼びかけることを継続していくと同時にさらに幅広く呼びかけ運動を発展させていくことができたらと考えました。骨髄移植を希望する患者さんのすべてにドナーをみつけるために地道に取り組んでいきたいと考えます。これからもご支援・ご協力よろしくお願いします。